『夫婦の絆』(最終回)のわしのペン入れを猛烈に
進めている。
漫画の世界は権威主義がゼロだし、肩書きもキャリアも
一切通用しない。
「実力」だけ!「才能」だけの世界だ!
人気投票しか評価の基準がないから、最終回まで手を
抜くことは出来ない。
ただし、連載する雑誌自体の部数は、単行本の売り上げ
にも大きく関係するから、少部数の雑誌だと多くの人の
目に届かない。
だがそれでも「はだしのゲン」が、大部数・人気投票
主義の「少年ジャンプ」の中で必ずしも人気投票が取れ
なくても、当時の編集長の英断で、連載が続けられ、
単行本になってから「名作」と評価され、読み続けられ
るということもあるのだから、描く動機が明確にある
ときは、最後まで自信を持って描いておかねばならない。
手塚治虫の『火の鳥』も『アドルフに告ぐ』も連載終了後
の評価が高くなって売れた作品群に入る。
『おぼっちゃまくん』のように、大部数の雑誌で連載し、
当時から大ヒットだったが、連載終了後30年も経って、
外国(インド)で再び大ヒットになるという不思議な
運命を辿る漫画もある。
漫画は連載終了後も、何が起こるか分からないジャンル
だから、とにかく作者は全力で描いておくしかないのだ。